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2008年11月11日 (火)

純正調オルガンを探して

音楽は好きだけれど、楽器を弾けない私。
当然のごとく、音を聴き分ける能力ゼロ sad
でも、音楽の世界は奥深いぞ、と思わずひきこまれてしまう番組を見た。
(ヨーロッパ音楽の旅 『ドイツ皇帝が愛した幻の楽器と日本人』BSジャパン)

「純粋で透明な音」を追い求めているという、作曲家でピアニストの西村由紀江さんが、幻の楽器と言われる「純正調オルガン」(エンハーモニウム)を探して、欧州を旅するという番組だ。

「純正調」とはなんぞや??

例えば、鍵盤楽器のピアノでは、ソの♯とラの♭は、一つの黒鍵で表現する。すべてを鍵盤にすると、多すぎて演奏できないからだ。

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だから、和音の音が微妙にずれて不協和音になってしまう事があるのだそうだ。(弦楽器、管楽器などは、奏者の微妙な指(息)遣いで表現できる。)
純正調の和音は協和するので、現在の平均律の和音に比べて濁りがなく、明るく透明な音がでる。

その音を追及し、難しいと言われた「純正調オルガン」を、明治時代に発明した日本人がいた。
田中正平」という、森鴎外と共にドイツに留学した物理学者で、音響学を研究した人物だ。
(田中正平は、子供の頃、虫の鳴き声をランク付けして遊んでいたという耳の持ち主だそうだ。)
このオルガンを使ったコンサートで、ドイツ皇帝「ヴイルヘルム2世」は、「今まで作られたいかなる楽器よりも優れている。今世紀最大の発明」と大絶賛し、パイプオルガンとして教会に設置する事を切望したという。
この純正調パイプオルガンは、磁石を使ってパイプの部品を移動させ、音階をつくるというとても難しい技術で作られ、職人も途中サジを投げる程の困難さだったが、1892年ついに完成。しかし、戦争で失われてしまった。
だが、その後ウィーンで研究が引き継がれ、西村さんはついに純正調パイプオルガンと対面を果たす。

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この楽器の鍵盤、斜めになった机の上に、小さな○や細長い□の積み木のようなキーが、幾何学模様のパズルのようにびっしり並べられているような形をしている。
どんな風に演奏するんじゃい?!と思っていたら、西村さん、「肩が凝る~」と悲鳴をあげながらも、弾きこなしていた。びっくり!

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今では、コンピュータで音を拾い、調整する事で、普通の鍵盤でも純正調オルガンとして弾くことが出来るというが、西洋音楽も西洋楽器もまだ珍しかった明治時代に、そんなすごい楽器を発明し、作ってしまった日本人がいたなんて! と、日本人の底知れぬ能力に感動してしまった。
そして、音楽の世界の繊細さ、奥深さにも感激してしまったのでした。

追記 09年5月に再放送の際、画像をアップしました。

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コメント

人の可能性には驚かされる事ばかりですよね。。

こういう番組が増えてくると日本人のポジションもあがるのでは・・・・

少なくなりましたよね。。残念です。

色々なものに刺激を頂ける事はいくつになっても必要なのかもしれません。

楽しく生きるには・・・・・

Unoさん
今年日本人は、ノーベル物理学賞と化学賞をとりましたよね。
三味線の音しか知らなかったという田中さんが、西洋の楽器に触れ、発明までしてしまったという歴史を知り、経済は停滞しても日本人には底力があるぞ!などと明るい気持になってしまいました scissors
田中さんは帰国後、音楽とは別の分野で活躍されていたけれど、亡くなる時はピアノを弾くように指を動かしていたとか。note
自分が求めたものへの探求心は、年を重ねても持ち続けていたいですよね。西村さんの音へのこだわりも、見ていて素敵だなあと思いました。

10/16にBSジャパンで放映されたのを観て自分も感動(と言うと語弊が有るが…)、黎明期の日本人の底力は凄いなぁと感心しました。happy01残念ながら正平が発明した純正調パイプオルガンが残っていず、パソコンを使った物が再現されてましたね。でも、録画に失敗した為、最後に弾いたであろうモーツァルトは聴けませんでした。 出来れば、正平が作ったパイプオルガンを再現して弾いて欲しかったです。でも、「純正調」を知らず、田中正平と謂う人を知らなかったのが、悲しいというか淋しかったです。despair外国の人々が知っているのに自国の人々には全然知られて無いなんて…。外国の歴史を忘れない風習がこういう時、羨ましく成ります。gawk

Qouさん
西洋音楽が珍しかった時代に、驚きですよね。
>出来れば、正平が作ったパイプオルガンを再現して弾いて欲しかったです。
私も同感でした。機械を利用したものではない楽器で聞きたいですよね。
でも、現代の技術で再現するのは、逆に大変な事なのかも知れません。
ヨーロッパは職人の技を大切にする文化があるので、可能かも知れませんが。田中正平さんは、音楽の教科書に載っているのでしょうか?
是非載せて欲しいですよね。coldsweats01
この番組は、何度も再放送されているので、モーツアルト聞けるといいですね。
コメント有難うございました。

私も2010年1月24日に放送された番組を
今日、1月25日に観ました。
興味深い番組でした。
昨年、ベルリンへ、一昨年、ウィーンへ行きました。

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